理事長挨拶
日本生体医工学会 理事長 就任の挨拶
令和6年(2024年)6月の総会で、公益社団法人日本生体医工学会の理事長に再任されました。就任にあたり、皆様に一言ご挨拶申し上げます。
日本生体医工学会は、医学・生物学と理工学が接することで生まれる研究分野に関係する研究者の集う場として昭和37年(1962年)に設立され、以来60年余りにわたって、本邦の生体医工学研究の発展を支えてきました。近年では、会員の皆様が安心して適法に生体医工学研究を推進できるよう、臨床研究法の該当性に関するガイドラインと分野別の別表の策定を進め、会員の皆様の研究成果を国際発信していただけるよう、オープンアクセスの英文誌 Advanced Biomedical Engineerting (ABE)を刊行いたしました。会員の皆様の積極的な投稿のおかげもあって、ABE誌はインパクトファクターを取得するに至っております。
一方、生体医工学会の事務局は体制がやや脆弱で、理事を含む一部の先生方に大きなご負担をかけながら、どうにか運営できている状態が続いて参りました。そこで、2024年度より事務局の委託先企業を変更し、事務局を含む学会の運営体制を大幅に刷新することといたしました。また、やや曖昧になっていた会員の資格を本会定款の趣旨に従って明確化し、大学院生の方に正会員として学会運営に直接関わっていただけるようにいたしました。なお、大学院生の皆様の会費につきましては、準会員と同額としています。
学会運営の刷新を円滑に進めるため、これまでの規則を変更して理事長を再任することを2023年度理事会でお認めいただき、私が継続して理事長を務めさせていただくことになりました。特別な事情があってのことではありますが、学会を私しているなどの誹りを受けることのないよう、これまで以上に襟を糺して学会運営に臨み、与えて頂いた二年間で、「誰でも苦労なく学会が運営できる体制」を整えて、次の方へ確実にバトンを渡して参りたいと考えております。
また、このたび、本系設立期に本会をお支えいただいた、故斎藤正男先生のご遺族からのご寄付を賜り、内閣府公益等認定委員会の認可をいただいて、将来の生体医工学分野を支える人財を育成するための奨学金、斎藤奨学金の給付をはじめることにいたしました。大学院生を中心とした若手研究者の皆様に、是非積極的にご応募いただきたいと思っています。奨学金受給者の皆様の中から、生体医工学の未来を切り拓く次世代の研究者が産まれることを期待しています。
会員の皆様におかれましては、是非闊達な意見を学会にぶつけていただき、また、本会での学会や論文発表、さらには、本会の運営にも積極的に参加して、本会の活動の活性化にお力添えを賜りますようお願い申し上げます。多くの皆様が、本会の活動に加わってくださいますことを、心よりお願い申し上げます。
2024年7月吉日
日本生体医工学会理事長
黒田 知宏